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い そ が さ か い せ き
磯ヶ坂遺跡 弥生時代終末期の土器

磯ヶ坂遺跡で出土した弥生土器(弥生時代後期後半)

弥生土器の実測図(発掘調査報告書より)
弥生土器が出土した様子(穴の中から出土しました)
 磯ヶ坂遺跡は、蔵王町東部に広がる田園地帯を擁する円田盆地の北端の丘陵上に立地しています。これまで遺跡の詳細は不明でしたが、県営ほ場整備事業に伴なって平成21年度に発掘調査を実施したところ、平安時代の竪穴住居跡や、江戸時代の墓地などが発見されました。

 ここで紹介する土器は、直径120cmほどの土坑から出土したもので、高さ76cm、直径62cmほどに復元される大型の壺形の土器です。胴部が強く張り、頚部が直立して口縁がやや受け口状となる複合口縁壺(口縁部に段のある壺)で、口縁部と胴部に縄文がつけられています。

 このような特徴の土器は、関東地方北東部を中心に分布する弥生時代終末期の土器によく類似しており、磯ヶ坂遺跡の土器も近い時期のものと考えられます。

 円田盆地ではこのような土器が古墳時代前期の集落跡から出土する事例もあり、弥生時代終末から古墳時代初頭にかけての文化を知る上で重要と考えられます。

DATA
所在地 蔵王町大字小村崎字磯ヶ坂
時代 縄文時代早期後葉(約7,000年前)、弥生時代後期後半(約1,800年前)、平安時代前葉(9世紀)、江戸時代中期(18世紀)
種類 集落跡・近世墓群
遺構 竪穴住居跡、貯蔵穴、土坑、近世墓
遺物 縄文土器、弥生土器、土師器、古銭、煙管、鉄鍋、ガラス製小玉など
見学メモ
町道南側の畑地一帯が遺跡です。
標柱等は設置していません。遺跡の現況は畑地・宅地です。

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