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平安時代の井戸跡の調査−西屋敷遺跡

※出土した土器の写真を追加しました。画面下をご覧ください。
 
 たくさんの方にご覧いただいた、先月の発掘調査成果見学会が終わった後も、現場での発掘作業は続いています。蒸し暑い日が続き、炎天下の発掘作業は大変な季節になりました。作業中は水分補給が欠かせません。

 今回は、西屋敷遺跡で見つかった、平安時代の井戸跡の調査の様子をご紹介します。見つかった井戸跡は、直径70cmほど、深さ80cmほどの丸い穴です。どうやら、井戸跡が使われていた当時はもっと深かったのですが、後の耕作などで上のほうが削られてしまったようです。

 井戸跡の中には、湧き出した水を溜めておくための桶が腐らずに残っていました。底のほうには皿のような土器が2枚重ねて伏せてあり、その上には大きな石が入れられていました。土器は平安時代の土師器(はじき)という焼き物です。井戸跡を使わなくなったときに「まじない」のようなことをしたのかもしれません。
見つかった平安時代の井戸跡。意外に小さい?
井戸跡から出土した土器など。内側が黒く塗られた土師器の坏(皿)の破片で、墨で文字が書かれたものもあります。
井戸跡に埋まった土を掘り下げていくと、底のほうからどんどん水が湧き出してきました。 埋まった土を掘り下げたら、きれいに清掃をして記録写真を撮影します。
井戸跡の記録写真。水を溜めるための桶があり、底のほうには土師器の坏(皿)と大きな石が入れられていました。 写真撮影の様子。さらに断面図や平面図を作成して井戸跡の構造や、使われなくなった後の埋まり方を記録に残します。
平成21年7月28日更新

井戸跡から出土した土器。左が窯を使って焼かれた「須恵器(すえき)」という焼き物で、ねずみ色をしています。右は野焼きで焼かれた「土師器(はじき)」と言う焼き物で、赤茶色をしています。どちらもロクロを使って成形された土器で、平安時代初め頃(8世紀末〜9世紀初頭)のものと考えられます。土師器の内側が炭で黒く染められているのは東北地方の奈良・平安時代の土師器に特有の技法で、水漏れを防止するためだったと言われていますがその目的は定かでありません。
出土した状態を再現してみると、こんな感じです。重ねて伏せられていました。 墨で文字の書かれた須恵器の破片。「万」という文字のようです。
平成12年8月14日更新
 
 

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